ペットブームに思うこと~人気犬種を追いかける日本人

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ペットブームに思うこと~人気犬種を追いかける日本人

シベリアン・ハスキーシベリアン・ハスキーが大流行していた時期があります。
1982年に日本に紹介されて、1992年度のジャパン・ケンネル・クラブ(JKC)の登録数は5万頭以上でした。
この時、アメリカのAKCは2万1944頭、イギリスのKCはわずか382頭でした。
単年度の登録数がこれだから、登録されていないものも含めると最初の4~5年で10~30万頭が飼われたことになるはずでです。

動物のお医者さんハスキー犬が爆発的なブームになったきっかけは、この犬を主人公(チョビ)にした人気少女漫画『動物のお医者さん』からだといいます。
たしかにハスキー犬は姿形がよく、むだ吠えもしない従順な犬ですが、代表的な品種だけでもゆうに30種類以上もあるなかで、特定の犬だけがこれほど流行するというのも異常なことです。

ヨークシャー・テリアところがその後、皇太子妃を送りだした小和田家の飼い犬ショコラが注目をあびたとたん、ヨークシャー・テリアがブームになりつつあり、それにつれて価格もはねあがっていると聞きます。

日本人の犬選びというのは、洋服と同じようにファッション性や流行に左右されることが多いようで、人気犬種の移り変わりがじつに目まぐるしいのです。

日本スピッツ昭和30年代の「日本スピッツ」に始まり、マルチーズ、シェットランド・シープドッグ、シベリアン・ハスキー、そしてゴールデン・レトリーバーが急速に伸びた時期もありました。

また、犬のマーケットが経済状態にも左右されるようで、たとえばバブル時期には、ここぞとばかりにアメリカのドッグショーでチャンピオンに輝いた人が大量に日本に入ってきたこともある。

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「流行になっている犬だから安心だ」という意識

ところが、欧米では登録数からみた人気犬種のベストテンはほとんど変動がないのです。
日本人の、犬選びの背景には「流行になっている犬だから安心だ」という意識があるのかもしれませんが、自分のライフスタイルに合った犬を合理的に判断して選ぶことが常識となっている欧米人の目からすると、犬の世界でも日本人というのは不可解だということになってしまうのです。

シェットランド・シープドッグもちろん流行があってもかまわないが、問題は日本の愛犬家たちが流行のたびに大きなツケを支払ってきていることです。
日本スピッツは「人を見ると咬む犬」というありがたくない評判が定着してしまったし、シェットランド・シープドッグは「むだ吠え防止のための声帯除去手術がいちばん多い犬」となってしまい、ゴールデン・レトリーバーは「股関節に異常のある犬が多い」と最近言われはじめています。

なぜこんなことが起こるのかと言うと、ひょんなことから人気が出はじめると、当然のことながらビジネスとして乗り遅れまいと繁殖が盛んにおこなわれるようになります。
それも、近親交配(インブリード)をくりかえすために血が濃くなってしまって奇形や性質に問題のある犬が出てくるのです。

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動物はブームでかうものではありません

しかも、ブームになるとどうしても、本来、犬を飼う心構えのない人までが飼いはじめるので、扱い方が悪くなって輪をかけて性質のよくない犬が出てきてしまいます。
その結果、股関節脱臼の手術に数十万円も支払ったり、むだ吠えをさせないために、吠えると電流の流れる首輪をつけたり声帯を取ったりすることになるわけです。

しかし、いったんブームが去ると、それまで高騰していたのが嘘のように、とたんに値崩れをおこします。
流行犬は価格が高く、性質や体質に問題のあるケースがあることを心得ておいたほうがよいかもしれません。
犬の価格はできれば、子どもがお年玉を集めれば買える程度になってほしいものです。
そのためには、買い手の意識も変える必要がありますね。

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